発達障害の「生き方」研究所 | Hライフラボ

転職4回、うつで1年の休職歴あり。30歳を過ぎてADHD・アスペルガーまで発覚した人間が、妻と娘の育児のためにもがいた結果… 「生きづらさ」と戦いながらそこそこ稼ぐためのHライフラボ的・生き方3.0とは?

自立したいときは自立した他人とのコミュニケーションが必須かもしれないこと

自立と他人の関係性について

 

ひと月ぶりの更新です。

 

Hライフラボとして、今年の山場だった日本LD学会。

「発達障害のある大学生の就労支援から職場定着支援に関する実践研究」というテーマの自主シンポジウムで20分間、お話させていただきました。

企画・司会を務めてくださった明星大学の村山先生、指定討論者の富山大学西村先生をはじめご関係のみなさま、ご来場いただいたみなさまありがとうございました。

 

 

Hライフラボのブログをスタートしたのが昨年の3月。

 

「発達障害の自分の育て方」を出版してから、今日でちょうど1年。(12/4補記:正確には12月2日ですが…)

 

自立のある社会をつくりたい一心で、仕事を続けながら進めてきた活動が、少しずつ形になってきた1年でした。

 

 

本当に、3年半前には仕事のストレスで会社にも行かれなかったです。

たくさん会社には迷惑もかけたと思います。

 

そのあたりから前の会社の仕事に限界を感じて。

 

半年後に転職をしても、仕事についていけるのか不安で読書会に行きはじめました。

自分のヒト環境を大きく変えてから、わたし自身も大きく変わりはじめました。

 

 

その時点で、実際わたしのFacebookの友達には、親戚と地元の友達の合計10人くらいしか登録されていません。

読書会でFacebookの友達申請をお願いされても、はじめは「やっていないから」と断っていたほどでした。

無意識に、人間関係の何かの部分を避けていたんだと思います。

 

 

ところが月に2回程度の読書会を2~3ヵ月続けてみると、登録の数がひとり増え、ふたり増え。

いまではいつの間にか300人を超えています。

 

この「たくさんの多様な自立したヒトとコミュニケーションを取った」こと。

この数年で自分が別人のようになれた要因は、ここが一番大きいと考えています。

なぜなら、これだけがここまでの33年間とこの数年の生活で、唯一違うことだからです。

 

 

自立に他人が果たす役割

本を紹介するのは久々な気がします。

 

人格の成熟 (同時代ライブラリー)

人格の成熟 (同時代ライブラリー)

 

 

幅広い分野の学説に通じた精神医学者であるアンソニー・ストーが、1960年に書いた「人格の成熟」(原題「The integrity of the Personality」)には、この数年で私が体験したことと非常に良く似たプロセスを、「人格の成熟」(Hライフラボでの「自立」によく似た概念」)に必要な条件として仮説提示しています。

 

訳者のあとがきから分かりやすい部分を抜き出してみました。(P.277)

 

かかる自己実現の過程は、決して自己中心的ないし独在論的なものでも、また反社会的ないし没社会的な原理であるのでもなく、むしろ最高に成熟した人格とは、他人との間で、最高に成熟した人間関係を育むことに成功した人に外ならない

 

誤解をおそれず、本書から受けた印象を含めて言いかえてみると、

 

「自分探しなんてしたって意味がない。だって、たくさんの自立した他人とコミュニケーションを取って、その相手の要素を自分にとっていいとこどりしたのが自分なんだから」

 

ということになります。

 

 

もちろん、自立するための要素には、他にも言語理解力あたりが影響するのではと思っていますが…

 

現状の社会において、社会人が人格を成熟させる、自立するためのアプローチとして、ひとりで本を読むだけでなく、読書会や興味のある分野のイベントなどで他人のコミュニケーションを取ることが有効だとする、ひとつの理論的な根拠にはなりそうです。

 

 

この「大人の生き方3.0」の有効性については引き続き、検証を続けていきたいと思います。

 

 

***<ファーストシーズン「大人の発達障害改善のヒント」全78+セカンドシーズン30記事の目次はこちら>***

 

 

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