発達障害の「生き方」研究所 | Hライフラボ

転職4回、うつで1年の休職歴あり。30歳を過ぎてADHD・アスペルガーまで発覚した人間が、妻と娘の育児のためにもがいた結果… 「生きづらさ」と戦いながらそこそこ稼ぐためのHライフラボ的・生き方3.0とは?

発達障害で外資系に障害者雇用されるメリット・デメリット

外資系の発達障害者雇用という現実

【こんなことが書いてあります】
・大人の発達障害者が障害者雇用されるメリットは、配慮を得ながら一般的な給与をもらえること

・基本的な英語力がないと大変なこともあるが、今後のキャリアプランを考えると英語の実務経験はメリットになる

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アスペルガー・ADHDを併発している私がはじめて障害者雇用にチャレンジしてから1年以上が経っています。

 

ここで、一般就労でも何とか仕事できるけれどついていくのにかなりの努力が必要な人間が、大人の発達障害者の障害者雇用、特に外資系で働くことについて感想をまとめてみました。

 

発達障害グレーゾーン、特にアスペルガーっぽい人やADHDっぽい人が少しでも自分に合った職場を選択していく参考になれば幸いです。

 

メリット

1、給与が高い

何といっても外資系で障害者雇用されるメリットはこれに尽きるでしょう。

就労形態は非正規雇用ですが、たぶん一部上場企業正社員の全年代平均年収は超えていると思います。

それほど「外資系」という違いの破壊力はすさまじいものがあります。

 

ハローワークの障害者雇用枠の求人を探しても、家族を養えるような給料をいただけるものはなかなかないので、障害者枠でお仕事を探している方は外資系企業のウェブサイトをしらみつぶしにあたるのもいいかもしれません。

 

ただし表向きは外資系でも日系資本も多く入っているような合弁の会社は、精神障害・発達障害に対してやや消極的な印象があります。ご注意を。

100%外資系であれば基本的に障害の有無に関しては平等です。

 

2、振ってもらえる仕事の質が高い

これはもちろん障害の状況にもよりますが、一般就労経験があって発達障害・うつ病などで障害者雇用される場合、仕事の質としてはほぼ通常雇用されている人と変わらないでしょう。

 

キャリアプラン的な発想をすると、今後一般就労に戻ることも視野に入れたい発達障害グレーゾーンな方は、職務経歴に一貫性を出せるなどのメリットがあるはずです。

 

さすがに普通の仕事をしていながら、転職をしたら急に総務部のメールルーム管理や資料整理ばかり・・・という職務経歴になると、その次に一般就労へ戻るときに大きな支障が出ます。

 

試しに障害者雇用されてみたいけど、キャリアが中断してしまうのも・・・と心配されている方には外資系がおススメです。

 

3、人間関係が比較的ドライ

部署での飲み会や昼休みに皆で一緒にランチをするのが苦痛・・・というのが内向的なアスペルガーにありがちな気持ち。

私も苦痛とまでは言いませんがかなり疲れるので、できれば一人にしておいて欲しい。

そんな人間にとって、外資系というのは国内企業よりも比較的人間関係がドライなのでやりやすいのではないでしょうか。

 

なにせ昨日まで普通に働いていた人が突然翌日からいないなんて良くある話、引き継ぎさえされないこともしばしば・・・という世界。

みんな自分の成果を出すことに一心不乱で、それほど他人に構っていられないんだと思います。

 

時間をズラして遅めに食事、ということもまったくOKです。

このあたりももちろん職場や上司によるのでご注意をお願いします。

 

デメリット

1、仕事の効率を求められる

給与が一般正社員並みということは、当然仕事の質も高いものが求められます。

まして障害者雇用であることを知らない他部署の人から見れば、外見は普通ですからまさか発達障害があると思わず、普通に転職してきたハイレベルな人間と思われます。特にアスペルガーの方は他部署とのコミュニケーションが仕事に含まれるかどうかが、入社前の要確認ポイントだと思います。

 

ただもちろん配慮されたうえでの平等、が基本なので、勤務時間や業務内容について必要な配慮はしっかりと入社時に伝えておく必要があるでしょう。

上司に障害者雇用者の管理経験があるかどうかも、障害に対して正しい理解があるかどうかを計るポイントです。

 

関係者へのカミングアウトは特に制限されませんが、上司の判断によります。

最低限、同部署で業務上よくコミュニケーションする人には伝えてもらったほうがこちらとしては気が楽だと思います。

但し相手側としては遠慮が生じることもあり、スピード感があり情報が業務遂行のキーになるような職種ではデメリットになることがあるでしょう。

うーん、難しい・・・

 

2、福利厚生が弱いことがある

外資系企業は給与レンジが高い代わりに福利厚生や退職金関連が国内大手企業と比べると弱い印象があります。

このあたりは通常の外資系への転職活動と同じ注意事項なので、他転職サイトの情報を参考にしてください。

 

3、英語の基礎力が無いと大変な場合がある

これはメリットとも表裏一体です。

英語を実務で使った経験はその先のキャリアに大きく貢献しますが、いかんせん英語力がないとメールの読み書きにもかなり時間がかかるため、基礎的な英語力(英検2級~準2級)は必要なことが多いと思います。

 

入社条件としてTOEIC何点以上、という基準がない場合も多いですが、英語を使った業務は無い、と言われていても実際に入社してみると英語を使うケースがあります。

もちろん全く英語を使わない業務もあるでしょう。

 

私の場合、TOEICを受験さえしたことがなく英語はとても不安で、そう言われて入社したものの1日100通以上受信するメールはほとんど英語でした。

 

それまでは仕事で英語を使ったことがなかったんですが、英文メール送信もいきなりやらされて、書いてはみたものの合っているのか分からず、不安で1時間以上送信ボタンを押すのをためらっていた記憶があります・・・

 

ただ英語は大学まで勉強した基礎があれば、あとはもう慣れです。

私は業務外で英語は勉強していませんが、いまでは1日に十数通も英文メールを返信していますし、海外との電話会議にも出ています。

 

それでも多分、いまTOEICを受けたら500点いかないでしょう(まだ受けてないです・・・)。

【2015/5/10追記 先日はじめて受験してみました。何とか500点は超えていましたが、そんなレベルです。。】

 

特定の業務で使う英語はとても限られた単語だったりするので、慣れてしまえば大丈夫です。英語力が不安な人も、まずはチャレンジしてみましょう。英語ができないことを前提に入社してしまえば、文句を言われる筋合いはありません!

 

 

興味のある仕事があればまずはチャレンジすることが大切

リスクを取ると、自然と人生がひらけます。

チャレンジして苦労をすると、必ずその見返りがあり得るものも大きいです。

 

障害者雇用で転職を考えている方は、もし状態が許すのであれば一般ではなかなか入ることができない少しでもレベルの高い企業を目指してはいかがでしょうか。

そこでの経験は、これからの人生に大きく貢献してくれると思います。

 

最後に、発達障害者(特にアスペルガー・ADHD)の障害者雇用、キャリアプランについて何か聞いてみたいことやご質問があれば、どうぞお気軽にコメント・hlifelabo@gmail.comまでご連絡ください。

 

 

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