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発達障害の「生き方」研究所 | Hライフラボ

転職4回、うつで1年の休職歴あり。30歳を過ぎてADHD・アスペルガーまで発覚した人間が、妻と娘の育児のためにもがいた結果… 「生きづらさ」と戦いながらそこそこ稼ぐためのHライフラボ的・生き方3.0とは?

大人の発達障害の克服に役立ったこと3 ~ 環境認識を変える

生き方(初級編)

周囲の世界をどう認知しているか

【こんなことが書いてあります】
・大人の発達障害は、環境認識を変えると劇的に意識や世界との関わり方が変化することがある

・環境認識が新たな遺伝子の発現を起こすことがあるため

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今回はこちらの記事の続編です。

大人の発達障害の克服に役立ったこと1 ~自立する

大人の発達障害の克服に役立ったこと2 ~ 脳疲労を取る

 

前職の頃のこと。

 

自分の役割をこなさなければいけない一心で過労状態が続いた結果うつ病になり、双極性障害Ⅱ型を経て、大人の発達障害の診断、とくにアスペルガー・ADHDを併発していると分かる前、つまり私が障害者雇用につく前は、まだ一般就労でモバイル通信キャリアに勤めていました。

 

私は、毎日職場へ行くのが本当に苦痛でした。

 

変わりばえのない毎日、毎月の定型業務。

ADHDがあるばかりに、真面目に作業しているつもりなのにしばしば起きる、イージーミス。

アスペルガーのせいで、嫌いではないのに上手くできない人付き合い。

 

ただでさえメンタルを病んで休職経験のある人間は上司からも敬遠されがちで、ギクシャクしながらごく簡単な業務のみを指示されること。

 

いったいいつまでこの苦しい生活が続くんだろう?

いっそこんな生活が続くなら、人生なんて早く終わってくれればいいのに…

大災害でも起きて、この一切の現実が吹き飛んでしまえば…

 

そう思わない日はありませんでした。

もしかすると、いまこの記事を読んでくださっているみなさんの中にも、近い経験をされた方もいるんではないでしょうか…

 

私は「その時に自分が認識していた世界」に絶望して、無気力になり、ただ仕事終わりにマンガ雑誌やコミックを買って、電車の中で読むことだけが楽しみの、刹那的な(その時の楽しみだけを追うような)生活をしていました。

 

ところがあることを境に、私の周りの世界が急に変わり始めました。

 

危機感をあおられた私の例

私が前回までの記事で書いた「自立」や「脳疲労回復」への道を知らず知らずのうちに進めていると同じ頃。

 

参加していた読書会で神田正則さんのベストセラー「2022-これから10年、活躍できる人の条件」に出会い、その前半で煽りに煽っている「日本の危機」という世界観に思いきりハマりこんでしまいました。

 

あまり新聞にも目を通す余裕もない日々が続いていたので、自分の常識を覆される世界観に触れたとき、大きなショックを受けました。

 

でもそれと同時に、同書が描いている新しい日本の未来像に触れて、「こんなエキサイティングな時代がもうすぐ来るのか、と鳥肌が立つほど世界が変わって見えたんです。

 

それをきっかけに世界のシステムや原理のようなものを把握したくなって、さらに本を読みあさるようになります。

そのときに得た人間の生き方についての原理原則を編集したのが「大人の生き方3.0」です。

 

これはあくまで私のいち具体例ですが、ここで言いたいのは実際に生きる環境を変えなくても、「環境認識」を変えるだけで自分に変化が起きてくるということです。

 

環境認識が変わると身体が変わる

これには私なりに認識している根拠があります。

 

私たちは、一般的には、親から受け継いだ遺伝子によって能力・資質・性格・発達障害の遺伝要因などを規定されていると考えています。

 

ところが、実際には遺伝子の働きはその単体・いくつかの複合体・周囲の環境などさまざまな要因が非常に複雑に絡み合っていて、単純に「親がこうだから私もこう」と言うだけでは済まない現象です。

 

特に、環境遺伝学を扱ったこの本によると、人の能力に占める、遺伝子だけが影響する割合は約50%だそうです。

遺伝マインド --遺伝子が織り成す行動と文化 (有斐閣Insight)

遺伝マインド --遺伝子が織り成す行動と文化 (有斐閣Insight)

 

(当ブログは広告収入を目的としていません。本へのリンクはすべてブログの標準機能を使って作成しており、サイト運営会社の収入となります)

 

そしてここまでは比較的多く知られていることですが、もっと突っ込んだところがとても私たちにとって興味深いのです。

 

遺伝現象は環境を介してあぶり出されてくる

 

これが何を示しているかというと、確かに私たちは遺伝子により個々の素質を規定されていますが、その遺伝子が発現する(「オン」になる、つまりその遺伝子が持つ情報が身体に反映されること)かどうかは環境次第、ということを言っています。

 

ということは、私たちの中にある遺伝情報のうち、どのくらいの比率かは分かりませんがかなりの量の遺伝情報が、いま私たちが外部から肌を通して刺激を受けたり、「認識」している環境のせいで、眠ったままだということです。

 

例えば、ある人が寒さにとても強い肌の遺伝情報を持っているとします。

ところがその人が比較的温暖な地域に育った場合、その遺伝情報自体が発現しないので、その人の「強み」は失われていることになります。

 

そして遺伝子発現をコントロールしているのはエピジェネティクスという現象と言われていますが、先に言ったように肌で感じ取れる外部の温度や湿度といった情報以外は、私たちが目で見て、耳で聞いている情報を脳が処理して認識しています。

 

つまり私たちの認識、思考方法次第では、私たちの中に眠ったままで活かされていない能力を発現させることができるかもしれないんです。

 

世界に危機感を認識してこそ活きる、発達障害の特性

ご存じの方も多いと思いますが、一部の発達障害研究者の中には、その著書の中で発達障害者を「歴史の転換点に多く現れる、人類生存に不可欠な人種」のように評している方もいるようです。

 

なぜなら人類に不利ばかりもたらす遺伝子はとっくに淘汰されていて当たり前だから、というのが主な理由です。

 

それだけの理由では、「まあそういうポジティブな見方もあるかな」と思っていた程度ですが、いろいろと見ていくともう少しその見方をフォローする状況がありそうです。

 

たとえば「周囲の環境が行き詰った」と父母の「脳」が「認識」した状況(意識していなくても、環境が悪化していると身体が反応している状況)で生まれると、発達障害の特性を得やすくなる、とか。。考えすぎではない気がしています。

 

とにかく、フットワークが良く新奇追求傾向のあるADHDにしろ、一つの細かいことを周囲の影響を受けずに孤独に突き詰められるアスペルガーにしろ、例えばそこに自分たち主観での家族や民族の危機的な環境があったとして、ブレイクスルー(それまで障壁となっていたものを突破すること)をしてきたのはおそらく常に私たちのような特性を持つ先輩であったろうと思うのです。

 

 

数多くの歴史上の偉人が発達障害と同じ特性を持っていたとされていることは、既にご存じのことと思います。

 

「だから発達障害でも大丈夫」

と言うつもりは全く無く、ただ少なくともいま私たちがよりよい生き方をしていくために必要なプロセスは、唯一その偉人たちへと続く道なだけ、ということは言えるでしょう。

 

本を読み、周囲と交流して視野を広げながら世界の認識を改め、危機感を高めて、自分の中でまだ入っていない遺伝子のスイッチを入れる。

 

自立した精神をもって、その得意分野に注力してブレイクスルーを達成する。

 

これがADHDやアスペルガーといった大人の発達障害を持つ人の幸せな生き方だと思っています。

 

 

次の記事→大人の発達障害の克服に役立ったこと4 ~イベントに参加する

 

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