発達障害の「生き方」研究所 | Hライフラボ

転職4回、うつで1年の休職歴あり。30歳を過ぎてADHD・アスペルガーまで発覚した人間が、妻と娘の育児のためにもがいた結果… 「生きづらさ」と戦いながらそこそこ稼ぐためのHライフラボ的・生き方3.0とは?

発達障害者は国際バカロレアを推進して生きやすいダイバーシティ社会を実現させる

発達障害でも生きやすい社会をつくるための教育とは

 

【こんなことが書いてあります】

・官民合同政策ワークショップで、これからの社会にはダイバーシティが求められることを再認識した

・2013年にダイバーシティを推進する「国際バカロレア」教育が日本に取り入れられることが決まり、これから順次導入される

・発達障害者にとって生きやすいダイバーシティ社会を早期実現するために、わたしたちはいまできることをやるべき

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本格的な暑さの東京。

 

ま新しい校舎に変わっていた母校を横目に、お茶の水女子大学構内へ初潜入のわたし。

本物の「ニュートンのリンゴの木」がある正門をくぐり、趣のある校舎街を抜けて中学校校舎へ向かいます。

 

この日はここお茶の水大学附属の中学校舎で、若手中央官僚や大学教授、関係事業者、有志など100名超が集まり、人口減社会への対応について意見交換・政策ワークショップが行われました。

官民協働ネットワーク Crossover

 

今回のターゲットは2030年。

今から15年後の社会がどうなっているのか。

そのときに教育や地域・事業創生・家庭・外国人受入など多くの課題がある中、個別にチームを分け、半日かけてのディスカッションです。

 

これを行うことで明日からの自分のアクションに新しいインスピレーションを与えられるとともに、新たなアクションパートナーを見つける場でもあります。

 

 

わたしは人気があり希望者全員は参加できなかった「教育」のグループに運よく参加できました。

このブログでわたしが編集している、大人のための精神的自立プログラム「大人の生き方3.0」普及の途を探るとともに、新しい視野を得ることが目的です。

 

ワークショップ、それに続く2次・3次セッション(2次会・3次会とも言います。。)合わせて12時間に及ぶ、真剣に日本の未来を明るくしようとする人とのディスカッションは、新しい仲間と出会うだけでなく、具体的なアクションの方向性が見えてくる貴重な場となりました。

 

以下、政策ワークショップ実施から1日かけて整理した、わたしなりの考えを示します。

 

発達障害者が活きる「ダイバーシティ社会」の本質とは

人口減になれば、もし日本が今の経済力を維持するためには移民が必要かもしれない。

そうなると、道行く人の半分以上が外国人(実際、最近の秋葉原あたりはほとんど毎日この状況ですが)になるかもしれない。

 

このあたりは仮定だらけですが、要は単一民族で画一的な教育制度、そして「あ・うんの呼吸」「空気を読む」という芸当が果たせる他者・意識の認識システムを高い比率で持つ日本社会・日本人が、その前提を覆されつつあるということです。

 

一方で、ただ単に男女や民族の違い、障害の有無といった多様性だけでなく、人それぞれの個性を認め合う社会、集団の価値観に依存せず自主的に生きられる社会は、相関的に幸福度が高いという調査があります。

幸福途上国ニッポン 新しい国に生まれかわるための提言(目崎雅昭 著)

 

この2点からしても、多様性(ダイバーシティ)を認め合う社会を創ることには、とても大きな意味があります。

 

 

さて、もうお分かりでしょうか。

 

わたしたち発達障害者が目指すべきは、このダイバーシティ社会の実現なんです。

 

わたしたちがいま非常に生きずらいのは、日本社会が高度に同質的な社会だからです。

 

これまでの記事では、現時点の社会でわたしたちが何とかやっていくための方策をいろいろと提示してきました。

 

でもこれから先は、その路線を継続する一方で、並行して多様性が相互に認められる社会・ダイバーシティ社会を早く日本に根付かせるためのアクションも取っていく必要があると、今回の政策ワークショップを経て強く感じています。

 

 

ダイバーシティを育む、発達障害者にも適した「バカロレア教育」

では具体的に、どうすればダイバーシティ社会を創っていけるのでしょうか。

 

もちろん大人がその重要性を認識して、意識を変えていくことは必須です。

 

それに加え、これから社会を担う子どもへの教育を、ダイバーシティ社会の実現に適したものへ変えていく必要があります。

 

そしてどのような経緯があるにせよ、それに向けついに政府も教育改革に着手し、2018年度からセンター試験の廃止の可能性も出てきました。

 

この話にはさまざまな憶測が飛び交っていますが、わたしはこちらの本の巻末に寄せられた下村文部科学大臣の言葉を信じてみたいと思います。

 

この2020年という節目について、私は、単なる五輪開催の年とするのではなく、ターゲットイヤーと位置付け、日本のポテンシャルを発掘、研磨、発信し、明治維新や戦後に続く第三の転換期として、新しい日本を創造する年にしたいと考えています。

(中略)

国際バカロレアが重視する、自分の力で考え、発信する能力、さらには異文化理解の前提として、自国の文化への理解を深め、アイデンティティを確立することなどは、グローバル人材に求められる素養・能力そのものといえます。

世界で生きるチカラ---国際バカロレアが子どもたちを強くする

世界で生きるチカラ---国際バカロレアが子どもたちを強くする

 

 

下村大臣が、本書で書かれているような国際バカロレアの本質、つまり個性を伸ばし自立させ、多様性(人種だけでなく個性なども含む)の中で、自分の個性を生かした仕事をクリエイトする力を育むことなどを理解しているかはともかく・・・

 

この「国際バカロレア」プログラムは日本の教育制度に取り入れられることが2013年に決定し、2018年までに200校の高校で国際バカロレアに準拠した教育が受けられるようになります。

 

今回のセンター試験廃止は、その制度拡大を視野に入れた「ジャブ」ということが言えるでしょう。

 

 

自立した市民が集う、ハンディキャッパーも個性が活かされる国、日本へ

このブログでは再三、「自立」の重要性を説明してきました。

 

I am OK. You are OK.

 

このダイバーシティ社会実現のための境地に真に誘ってくれるのは、精神的に自立した個人の集まりだけだとわたしは感じています。

 

自分のことを心から信じ、認めることができる人間でなければ、他者(いやなところを含めて)の多様性を心から認めることはできないでしょう。

 

 

でももうすぐです。

バカロレア教育に代表される、ダイバーシティを担保するための自立教育は確実にハンディキャップを個性と見てくれる人間をたくさん生みだします。

 

そうなれば、いま苦しんでいるわたしたちを含め、これからの世界に生きるわたしたちの子どもたち、次の世代は、たとえ発達障害の特性があったとしても、次第に「生きづらい」と感じる人が少なくなるでしょう。

 

その社会の到来を少しでも早くするために、いまわたしたちに何ができるのか

 

それを自分自身で考え、アクションすることができれば、わたしたちの発達障害の症状を生んでいる神経回路も、これから生きる社会も、きっと少しずつ、良くなっていくことでしょう

 

あと少し、耐えましょう。

そして少しでも求める社会を実現するために、動きましょう。

 

わたしたちの行動が変わらなければ、症状も社会も変わりません。

 

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