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発達障害の「生き方」研究所 | Hライフラボ

転職4回、うつで1年の休職歴あり。30歳を過ぎてADHD・アスペルガーまで発覚した人間が、妻と娘の育児のためにもがいた結果… 「生きづらさ」と戦いながらそこそこ稼ぐためのHライフラボ的・生き方3.0とは?

アスペルガー・コミュ障の仕事評価向上系新刊「社内プレゼンの資料作成術」がすごい件

アスペルガーの仕事評価が向上する決裁者目線資料作成ノウハウとは

【こんなことが書いてあります】
・いま唯一「火花」よりもAmazonで欲しい人が多いビジネス書新刊、「社内プレゼンの資料作成術」を読んでみた

・相手の心情を直感的に把握しづらいアスペルガーにとって、本書の徹底した「決裁者目線」の資料作成ノウハウは有用だった

→「生き方」研究所記事一覧へ

 

 

本の世界で先日から話題になっているのが、芸人でありながら芥川賞を受賞した又吉直樹さんの「火花」ではないでしょうか。

 

今年3月の発売以来、157日間連続でAmazon売れ筋ランキング100位以内をキープ。

評価こそ分かれますが481件のカスタマーレビューが書かれているビッグタイトルです。

 

ところでわたしは生涯現役でいるつもり(障害者だけに…)なんですが。

ただ万が一「老後」がきてしまったときのために、文学や小説などフィクションの類は読まずにおいてあるんです。

この又吉さんの「火花」も未読ですが、しっかりした純文学らしいのでちょっとだけ楽しみにしています。

 

 

ところがいまそんなビックタイトルの「火花」よりも読みたい人が多い、社内資料作成術のビジネス書がにわかに話題になっているのをご存知でしょうか?

 

本記事執筆時点の8月2日夜22時過ぎの時点で、「火花」をおさえてAmazonの「読みたい本ランキング」で第1位

ダイヤモンド社という大手版元からの新刊にも関わらず、都内大型書店で7月31日の発売から僅か数日で 品切れが起きていました。

 

その結果Amazonでも品切れで、これからの注文になると届くまでかなり時間がかかるようです。

 

※2015/8/3追記:現在第3刷。発売前の増刷はダイヤモンド社でもここ10年無いとのことです。

 

このムーブメントの主な原因は、本書の発売に合わせて「ダイヤモンドオンライン」で先週連続で掲載された記事が大きな話題を呼んだからだと思います。

 

独立前に在籍されていたソフトバンクモバイル株式会社で、資料やプレゼンに厳しい孫正義社長から何度も一発OKをゲットし、孫さんのプレゼンで使う資料もほぼ本書のノウハウがベースになっているという資料作成術には多くのビジネスマンから関心が集まったのでしょう。

 

 

「伝え方が9割」以来のベストセラーになりそうな、このビジネスコミュニケーション本の情報をキャッチしてわたしがここでご紹介する理由。

 

それは、「直感的に相手の気持ちが読みづらい」という、わたしたち大人の発達障害とって社内資料作成業務上ハンデキャップになっているところを、大きく改善するための情報やシンプルなノウハウがたくさん含まれていたからです。

 

以下まだ前置きが続きますが、まずはその話題の本をご紹介しておきます。

社内プレゼンの資料作成術

社内プレゼンの資料作成術

 

 

社内資料作成ノウハウがないときのコミュ障な仕事の末路

以前の記事にも書いたことがありますが、アスペルガーという特性も手伝ってか、わたしは前職まで社内資料作成が非常に不得意でした。

 

たとえば社内の過去データを分析して、今後の施策に活かせそうな結果を得られたとしても、それを上手く資料に落とし込んでリーダーや上司に伝えることができなかったんです。

 

「このデータを使って分析した」

「こんな難しい回帰式を使った」

 

いくら詳細に資料を作り込んでも、自分の思考手順を記載しただけではまったく相手に伝わりませんでした。

せっかく自信たっぷりに作った分析結果資料をパワーポイントで上司に対して説明を始めても、わずか20秒で

 

「いやいやちがうちがう」

 

そういってリーダーに止められたときは、恥ずかしさで顔に血がのぼって何も考えられなくなりました。

分析結果には自信があっただけに、非常にくやしかったことを鮮明に覚えています。

 

つまり、仕事で結果を出しても伝えるべき人に伝わらなければ評価されないんです。

 

 

そのときにはまだまったく気がつけなかった、社内資料作成において重要なこと。

 

外資系グローバルカンパニーの現職に引っ張っていただいた海外MBAホルダーの元上司は、それを中途入社以降、徹底的に指導してくださいました。

 

事業スピードの早い外資系企業で生きていくためには、少ない時間で伝えたいことを相手に理解してもらえるコミュニケーションのための資料作成は必須の能力だったからです。

 

そのおかげもあり、わたしはデータ分析に基づく需要予測精度で世界一を取った昨年の第3四半期、グローバルサプライチェーンの部署で日本・オセアニアの個人優秀賞を頂けました。

 

仕事の成果につながる分析結果を正しく評価してもらえる程度にまで、その重要なことを知っただけで社内資料作成力が向上していたことになります。

そしてどうにかこうにか、相変わらずミスは出てしまうのでいつクビを飛ばされるかヒヤヒヤしながらも、いままで仕事を続けることができています。

 

 

アスペルガーが理解するべき決裁者の心情

そんなわたしが社内資料用のパワーポイント作成で基本的に心がけていることは、大きく分けて3つあります。

 

1.色・文字・図・数字・線などを徹底的に省く

2.1ページにつき伝えることは1つだけ

3.色の持つ意味を把握して使う

 

目的によって多少テクニックの使い分けは行っています。 ただ常に念頭においていることは上の3つです。

 

たとえば1の「 色・文字・図・数字・線などを徹底的に省く」について。

 

本書ではグラフ作成のポイントとして、「見せたいもの」だけ見せることを挙げています。

 

資料のつくり手としては、すべての数字を律儀に見せることで安心できるかもしれませんが、その結果、ゴチャゴチャといろんな数字が書き込まれたグラフになれば、それらを見せられた決裁者にとっては「よくわからないグラフ」になってしまいます。

 

こちらにあるとおり、よくわからないグラフになることを避けるために不要な情報を省くのはとても重要です。

 

それに加えて本書がわたしたちにアスペルガーにとって有益なのは、上記引用のように徹底した決裁者目線で思考するための情報」が他の類書に比べて豊富だということなんです。

 

 

わたしたちアスペルガーにとって、ある状況において相手の目線・心情をくみ取ることができるような情報を蓄積することは非常に重要だと考えています。

 

以前の記事でもご紹介した、

成人の高機能広汎性発達障害とアスペルガー症候群―社会に生きる彼らの精神行動特性

によれば、アスペルガーの人は相手の心情を直感的に把握できない代わりに、過去の情報から理論的に導いてコミュニケーションを取っているようです。

 

そのため、本書のような「決裁者はこういう点を見ている」という情報は、仕事で上司などとコミュニケーションを取る上でとても参考になります。

 

 

実際にわたしが元上司から受けた指導も、核心はこの点でした。

 

コミュニケーションでは、まず相手を知ること、そして自分と相手の視点が違うことを認識したうえで、そのズレをどうやって埋めることができるのかを考え、不要な情報を省き、それぞれに伝わる形に変えていくことが重要なんです。

 

 

本書では、わたしたちアスペルガーが知っておくと社内資料作成の仕事に使える、上司や決裁者の視点が多く表現されています。

 

その他にも、資料全体の構成方法から上記3つのポイントのうち残る2つに関連するようなノウハウ、キーメッセージの配置位置、グラフとメッセージの位置などの細かいマニュアルもありました。

 

このブログの読者の方のうち仕事でパワーポイント資料作成の仕事が多い方、また外資系の障害者雇用を今後考えていく方には、参考になるところが多いはずです。

ダイヤモンドオンラインの記事だけでもエッセンスを理解できると思います)

 

 

相手の思考・視点を想像することは、左脳優位のアスペルガーの脳バランスを整えます。

 

脳バランスが整うだけで、毎日の脳疲労も大きく改善すると思いますので、この点からも本書を読む意味があるかもしれません。

 

 

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