発達障害の「生き方」研究所 | Hライフラボ

転職4回、うつで1年の休職歴あり。30歳を過ぎてADHD・アスペルガーまで発覚した人間が、妻と娘の育児のためにもがいた結果… 「生きづらさ」と戦いながらそこそこ稼ぐためのHライフラボ的・生き方3.0とは?

大人の発達障害は対話をつうじて自立する

大人の発達障害の自立はまず対話から

濃厚な対話の場、Cross over

うえすとです。

 

昨日は、こちらでも告知させていただいたCrossover×厚生労働省若手グループNHLWが共催したディスカッション大会がありました。

 

JR御茶ノ水駅を出てすぐの東京医科歯科大学、そちらのM&Dタワー上層階。

東京タワーがきれいに見え、まるで結婚式場のように広い場所をお借りしての開催になりました。

 

わたしが進行役の1人を務めた障がい者雇用のあり方を問うグループは、12名でスタート。

 

上は50代から、下は小学生(もちろん保護者同伴)が、一緒になって多様性と障がい者雇用について対話をします。

 

何かを決めるためではなく、何かに気づいて協働の相手を見つけるための場ですから、知識差があってもいいし、いい意見、悪い意見というのも無いんです。

 

支援者の方だけでなく、当事者、そしてこのブログからお申込みいただいた方もいて、

「普段こう感じているんだけど、違う立場の人からするとどうなんだろう?」

という当事者会とはまた違った対話になり、コミュニケーションになりました。

 

 

そして実はこの対話形式、わたしがおススメしている読書会の空気にかなり近いものがあるんです。

 

大人の発達障害が対話すると自立するメカニズム

わたしがまだ現職に転職して間もなく、まわりが何も見えない中でなんとかしなくちゃとの思いで参加した読書会での対話。

 

以前の記事でも少し紹介しましたが、進め方はこんな感じです。

 

  1. 自己紹介&アイスブレイク(緊張をほぐす)
  2. 自分が好きな本の紹介(5~10分)
  3. みんなで意見交換(5~10分)
  4. 人数分だけ繰り返す

 

とてもシンプルです。

ですが、冒頭に必ず「批判はしない」「議論が目的ではない」ことを強調します。

 

これがどうやら非常に大切で、この読書会を価値あるものにしている鍵です。

 

以前の記事でも、「攻撃的な人がいるとストレスがたまるけれど、この言葉があれば大丈夫」という理由では、この冒頭の言葉を評価していました。

 

 

ところがいまこの形式のコミュニケーションを評価してみるとき、ただそれだけの意味ではなくなります。

 

本の情報を交換するための読書会は、この言葉によって限りなく「対話(ダイアローグ)」という形式に変わっていくからです。

 

 

対話(ダイアローグ)とは、以前もたびたびその重要性についてこのブログで指摘してきました。

 

定義を参考書(わたしの中で安定の中原淳さんの本にします)から引っ張ってみると、以下のように3つの要素があります。

 

  1. 共有可能なゆるやかなテーマのもとで
  2. 聞き手と話し手で担われる
  3. 創造的なコミュニケーション行為

 

ダイアローグ 対話する組織

ダイアローグ 対話する組織

 

 

そしてこの本では対話(ダイアローグ)の効果をこう指摘してます。

 

他者に語ることで、自分自身が見えてくる 

 

「自立」に関係しそうな雰囲気がプンプンしてきます。

相手の意見をそのまま受け止めることで、自分自身(自己意識)がその意見とどう違うのかがはっきり分かってくる、自立してくる、ということですね。

 

そしてこれを繰り返すことで、意識的にも、無意識的にも「自分自身」の考え方、つまり自立している感覚がくっきりしてきます。

 

ここでは「無意識的にも」ということがポイントです。

自分の中の「無意識さん」がしっかり自分と外の世界の境界線を理解してくれれば、何かを見たり聞いたりしたとき、自動的に自分の中にわきおこるものがだんだんと変わってくるはずだからです。

 

 

ここのところ、あらためてよく考えてみてください。

 

外の世界の情報を処理しているのは脳です。

「これがわたしの考え」「それは他人の考え」というふうに区別しているのも脳です。

 

ということは、生の他人の言葉をリアルに受け止めた(脳が情報収集した)回数が少ないほど、

 

「なんとなく…これは他人や社会の考え」

「たぶんそれはは…自分の考え」

 

というふうに、自他の境界があいまいになっていたとしてもおかしくないと思いませんか?

 

ましてそれがアスペルガーの傾向がある人だとしたら…なおさらですよね。

 

 

そんなとき、きっと役に立ってくれます。

なんて便利なんでしょうか、対話(ダイアローグ)。

 

 

さらに最近知ったことですが、こうした「相手に理解され、好意を持たれている」と感じる、つまり「社会的つながり」を感じたとき、脳の中でドーパミンが出ます。

 

これはADHDの症状緩和に多少でもなり得る、と言えるかもしれません。あくまで、今のところは可能性の話ですね。

 

とにかくわたしは月に2回くらい、4ヶ月連続で参加したこの対話を通して、心理的に大きく成長して自分の情熱を再発見できたことは事実です。

 

ぜひ、参加していくイベントの中に、対話形式の読書会、勉強会などを入れてみてはいかがでしょうか。

 

 

実は以下で告知しているゲストセミナーでも、対話の練習を取り入れてみようかというアイデアもあり…(まだ先方に相談前ですが…)

 

 

【というわけで、告知です】

就労支援サービス「WINGLE」、総合幼児教育・学習塾「Leaf」などを手がける株式会社LITALICOさまの事業で、社会課題・障害についての研究機関である「LITALICO研究所」。

ゲストセミナー第1回講師になりました。 

 

日時:2月20日(土)17時

場所:中目黒にあるLITALICOさま本社内のセミナールーム

※研究員対象のイベントですが、研究員と同時登録で参加申し込み可能

LITALICO研究所、そして本セミナーにご興味のある方は、以下のリンクより詳細確認のうえ、参加申し込み及び研究員登録申請をお願いいたします。

※収容人数には限りがあります。 

 

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