読むだけで気分を変えてくれる言葉
辛く苦しい時を迎えている私たちへ。
「不眠のときに、ただいたずらに自分の思いに身をゆだね、いわば自己という小舟を想念の波の流れにまかせるのはよくない。
むしろ、思念に対してその進むべき方向を命じなくてはならない。
それはたいてい、不安を増すだけだからである。
できるならば、つねにゆるがぬ平安を与えてくださる神と語るか、それとも、もしそういう人がいるならば、あなたを愛してくれる人たちと語りなさい。
とりわけ、誠実な女のひとと話すのがよい。そういう人の言葉や手は、しばしば大きな慰めを与えるものである。
そのような助けがえられないときに役立つのは、良い書物である。」
ヒルティ『眠られぬ夜のために』第一部