発達障害が行動しはじめると実は伸びしろがすごかった話~4時間目「行動学」
発達障害が行動すると劇的に世界が変わるメカニズムとは
「大人の生き方3.0」概念図、更新しました。
思いつきで気まぐれなことをしてしまって、肝心の記事を書く時間がなくなってしまったことは置いておいて・・・。
今回、だいぶすっきりさせました。
具体的には、習慣づくりの項目は思い切って削除。
なぜかというと、この生き方そのものがひとつの大きな習慣だからです。
なので、こういった生き方ができるようになればあえて習慣にフォーカスすることはないと思いました。
逆にいうと、この生き方の発想ができない人は意識して習慣を作る必要があるかもしれませんが。
その他の変更点は、「運動・食習慣」と、「現職・天職入れ替えチェーン」を追加したことです。
このブログの記事でもいくつか紹介している通り、「運動・食習慣」は発達障害の克服にはいわずもがなの項目になってきましたので追加しました。
そして「現職・天職入れ替えチェーン」は、簡単に言ってしまうと天職を見つけたと思っていて就いた仕事をしていても、その後の行動・経験を通して新たな天職と思えるようなことが見つかるかもしれないということを常に意識しておこう、ということです。
これについてもまた別の記事にしたいですね・・・。
とにかく、また変更をするかもしれませんがコンセプトに大きな変化はありません。
ただ少しでも伝わりやすくマニュアル化していく作業は引き続き続けたいと思います。
「なぜ行動すると成功するのか?」の謎
さて、4時間目の今回は「行動」にフォーカスしてみます。
最近、自己啓発系や一部の現実的スピリチュアルの本で特によく目にするこのワード。
当ブログでもこちらの記事(発達障害でも行動して生きる勇気と実感を手に入れる)で少し触れたことがあります。
ただこの記事でも「なぜ行動すると成功するのか?」というロジックについては説明していません。
今回の記事では、このロジックの分析・編集を試みました。
では、どうぞ。
※発達障害克服専門学校の1・2時間目(発達障害は個性と言い切れるレベルまで回復するための時間割~1・2時間目)、3時間目(発達障害の生きづらいこころの克服ヒントはPepperにあり~3時間目「こころ学」)の続編です。
発達障害を持つ先生が行動の大切さを語る
熱い熱いマーニンの「こころ学」の授業が終わり、僕たちはちょっとした興奮の中にいた。
となりの奴はまだひたすらメモを書き加え続けているし、前の席の二人はいままで会話しているとこなんか見たことなかったのに、少し笑いながら意見交換している。
なんとなく、教室全体がザワついていた。
そんな中、4時間目の始まるチャイムと同時に次の先生が教室へ入ってきた。
『みなさんはじめまして。
4時間目を担当することになりましたうえすとです。
わたしが今回みなさんにお伝えすることは、発達障害を克服するために欠かせないとても重要なポイントである「行動すること」についてです。
実はわたしもみなさんと同じく大人の発達障害をもっていて、2次障害(発達障害の特性があるために引き起こされたうつ症状や双極性障害など)の治療をしていたとき、30歳を過ぎてからそのことが分かったんですが。
いやー、本当にきついですよね・・・。
わたしもこの学校の卒業生なんですが、もちろんいまでも完治はしていなくて。
仕事中、このまま消えたいなーなんてことはしょっちゅうです。
ただそれでも何とか生きていけているのは、この学校のプログラムを信じて行動を続けたからと、こうしてみなさんの前で何かしらのヒントを出せる立場になって、多少なりとも感謝をされるようになったからだと思います。
今日も全力でお伝えするべきことがあるので、よく聞いてみてくださいね。
行動で人生が変わるロジックとは
さて、いま書店へ行くと「行動すること」の重要性を書いている本はとても多いんですが、どれも「どうすれば行動できるか」の個人的なノウハウや、「行動するとどうなるか」の体験談が多い気がしているんですね。
で、もちろんこういった情報が参考になる方もいるんです。
それはそれでいい。
でもわたしは自分の回復の経緯を振り返ってみて、心当たる要素のうちの一つが「行動」したことだと確信したとき、どうしてもそのロジックが知りたくなりました。
そして行動を続けながらそのロジック解明の目的でたくさん本を読んで、ついに先日、そのひとつの答えに辿りついたんです。
では、その行動することで人が変わっていく答えだと信じているロジック3つを順番に紹介しましょう。
1.神経可塑性が高まる
2.新しい経験が日常を変え続けるループにはまる
2.現職・天職チェーンが早くまわる
ではまず1について。
これはテキストのここ(発達障害人生克服のための人間理解が深まる遺伝子・環境・エピジェネ系新刊が良書な件)にも書いてあることですが、行動を続けて日々新しい環境刺激を脳に送ってあげることで、新しい遺伝子発現のチャンスが上がったり、新しいニューラルネットワークが作られる効果(神経可塑性)があります。
例えば勉強会などで新しいことを教えてもらって、
「自分はこんな刺激的な世界に住んでいるのか!」
と改めて感じることは、発達障害の脳にとって、とてもポジティブな効果があるんですね。
さらに、いままで理由があって発達してこなかった脳の部位がこれによりどんどん成長していくと、いままで偏った発達のために使っていなかった部分を使い始めてバランスをとることになり、かなりのスピードで日々の仕事・生活の疲労感が少なくなっていくと思います。
ぜひ、今日からでもどこか新しい場所へ行って、何か新しいことを始めてみてください!
続いて2点めについて。
みなさんは、ジョン・デューイという人を知っているでしょうか?
アメリカで生まれたジョン・デューイは、有名なプラグマティズム(簡単にいうと「役に立つことがすべて」な考え方のこと)の哲学者です。
いろいろな思想に影響を与えているんですが、今回紹介したいのは世界中で次々と革命が起きる激動の世界を生きたうえで1938年に書かれた「経験と教育」の中にある理論です。
この本の中でデューイは、紋切り型の伝統的な座学と決まったカリキュラムによる教育を批判して、ある「経験の連続」をその対象のために与えてあげることが新しい教育だと言っています。
これはどういうことかというと。
普段「Aという作業をしてBという作業をして寝る」、という日常を過ごしていたとします。
その日常に対して、ある日、新たに関連したCという行動(経験)をしてみました。
そうすると、既にCという新しい経験をしたわたしたちが次にAの行動(経験)をするとき、もうそのAという経験は以前のままの経験ではないんです。
自分の中で新しい「A'(エーダッシュ)」とか、もしかすると「D」に感じてくる人もいるかもしれません。
そうなると今度は、CやDを経験したわたしたちのBという経験が違って見えてくる・・・。
このように、ほんの少し勇気をもっていつもの日常とは違うCという行動を取ることによって、外見的にはいつもと同じことをしているように見えても、実際には新しい「成長のスパイラル」が生まれているんです。
行動すればするほど、確実に成長していきます。
そしてその効果は、何か目標があって戦略的に関連のある新しい行動(経験)をしていったとすると、何倍にもなります。
ぜひ余裕があれば、予め仮にでも何かの目的を設定して、行動してみましょう。
いまのような歴史的変化の時代には、同様に時代の節目に生まれたこのデューイの経験教育理論はとても親和性があるはずですね。
最後に3点目は、現職・天職チェーンがうまくまわるようになることです。
たとえ行動した結果で天職と思える仕事にいったん就いたとしても、行動を続けて行く限り何か別のものに惹かれる日がくるかもしれません。
そのときは、素直に次の仕事を目指して行動しましょう。
ひとつのことにこだわって、飽きながらずっと同じ感覚でいるよりも、どんどんと新しい行動・仕事から刺激を受けたほうがいい。
現職から、天職へ。
天職から、周辺分野の新しい仕事へ。
その分野でまた、天職へ。
このチェーンを意識しておくと、閉塞感もなく常にフレッシュな状態でいられますね。
そして「行動すること」は、このチェーンの回転を速くします。
行動する勇気をもって発達障害人生にのぞむ
以上、行動すると人生が変わる3つの理由をご紹介しました。
いかがでしたか?
特に1と2のロジックと、もともと備わっている偏った素質のため、少し行動しただけでわたしたちの特に弱い部分は一定のレベルまでスピーディに改善されるのではと思っています。
あとは、行動する勇気を持ってどんどん動いていく。とにかくそれだけです。
行動しない理由は、もうどこにもないと思いませんか?
・・・おっと、終鈴が鳴りましたね。今日はここまでにしましょう。』
う~ん、たしかに!
僕たちには、発達障害だからこそまだまだ伸びしろがたくさんある。
今の状況は、ただ単に素質といままでの環境が作り出しただけ。
そしてこれからの状況は、僕たちの行動でいくらでも変えられる。
とにかく何でもいいんだ。
これからは、気になることをどんどんやってみよう。
いままでのつらく苦しい経験も、いまとなっては自分だけの強みだと思える。
僕たちの人生に失敗なんて言葉はどこにもないと、もう分かったんだから。
・・・昼食をはさんで、5時間目へつづく。
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