発達障害の「生き方」研究所 | Hライフラボ

転職4回、うつで1年の休職歴あり。30歳を過ぎてADHD・アスペルガーまで発覚した人間が、妻と娘の育児のためにもがいた結果… 「生きづらさ」と戦いながらそこそこ稼ぐためのHライフラボ的・生き方3.0とは?

「めんどくさい」がなくなる本は大人の発達障害の天職活動にベストだった話

大人の発達障害者向け天職活動本を読んで自分の情熱をドライブする

【こんなことが書いてあります】
・大人の発達障害者が情熱をもって働ける天職につくメリットとして、『「めんどくさい」がなくなる』がある

・自分の情熱を見つけるには、本書で書かれている「めんどくさい」を解消するプロセスがひとつのヒントになる

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数年前の夏のことです。

 

「双極性障害の人は、話だけはうまいんだけど仕事をしてもらうとちょっと……なことが多いんでね」

 

某大手人材紹介業の特例子会社採用面談で、面接官にさらっと言われたこの言葉。わたしは正直ヒヤリとしました。

自分ももしかすると、言っていることとやっていることが違うかも。

 

面接の場で「採用されやすいような発言」ばかりをしていても、本心から出た言葉ではないことは後でバレてしまうという好例だったのかもしれません。

 

 

実は同様なことを、某発達障害者支援人材紹介業の登録面談でも指摘されました。

 

そのときはあまり本質的なこととしてではなくて、あくまで言語性のIQが動作性のIQよりも高いとき、言行不一致に見られることが多い、というお話だけでしたが。

 

 

いまこの2つのことを考えてみると、妻子を養うため「経済的な要求を満たしながら、発達障害の特性があっても働ける場所」を探さなければいけないというとても難しい状況に追い詰められていたとはいえ、わたしも当初はあまりいい転職活動をしていなかったです。

 

少しでも面接での評価を上げるため、過去のキャリアやいまできること、さらには「相手から何を求められているか」ばかりにフォーカスして、全く自分のやりたいことや情熱、わくわくすることを気にする余裕がありませんでした。

 

その結果、内定をもらってもいまひとつピンと来なかったり、収入が低いため家族を説得できなかったりということが起きていたんです。

まだ精神的に自立できていなかったわたしにはけっこうハードな状況でした。

 

 

まあそれでもとにかく、最善を考えていつも何か行動してきたおかげで、今がある。

人生でたどってきたことに「失敗」「選択ミス」は絶対にない

 

それは学生時代から偉そうに後輩に語ってきかせてきたとおり座右の銘でしたし、そのときのハードな状況にあっても自分を支えてくれました。(もちろん、そう思えなくなるほどヤバいときもありましたが…)

 

わたしたちは、このようにどんなにツラい局面であっても、いつも過去や現在を肯定的にとらえられるようになるとベターですね。

だからいまからも最善だと思えることをただ考えて行動すればいいだけなんです。 そこには絶対に失敗はありません。

 

 

大人の発達障害者が天職につくメリットとは

大人の発達障害者の仕事として、「情熱を持てる仕事」、つまり天職を探していくことをオススメしたいことは、これまでの記事で度々その理由とともにお伝えしてきました。

発達障害が仕事で成功するためのチェックポイントとは

発達障害・ADHDのための仕事の「先延ばし」の苦しみから解放される唯一の道とは

 

ストレスに弱いわたしたちが、ストレスを感じずに働くことができる。

ついつい先延ばししてしまう特性も、本当に実現したいことがあるときは乗り越えられる。

 

この辺りをおもな理由として説明してきました。

どちらも、わたしたちが仕事をしていて強く不都合を感じていることに対する解決策です。

 

そしてまた新たに、「めんどくさい」がなくなる、というメリットを付け加えたいと思います。

 

「めんどくさい」がなくなる本

「めんどくさい」がなくなる本

 

 

 

この本の著者である鶴田豊和さんも、(やはり?)元うつ病(2015/8/11訂正)ストレスが重なりうつ状態にあったそうで。

 

無名の中小企業で仕事が合わずうつ状態のときに、さまざまな自己分析の末に自分の情熱を見つけ、マイクロソフトに正社員として入社後、社内でトップ3%以内の成果を挙げて現在は行動心理コンサルタントとして独立。

 

世界一の情熱発見ツール「パッションテスト」の日本初の指導者で、言ってしまえば「天職の伝道者」です。

 

本の題名こそ万人受けするものですが、その核心はとても刺激的なこの一言だと思います。

 

「夢の実現に向かって行動するのに必要なのは、情熱(パッション)だけ」

 

つまり、「めんどくさい」は情熱さえ見つかれば消え失せる感情だという意味で、情熱を持つことの重要さを伝えるためのタイトルにしているんです。

 

会社に行くのがめんどくさい。

電話をかけるのがめんどくさい。

資料をつくるのがめんどくさい。

健康のために自炊をするのがめんどくさい。

妻の会話の相手をするのがめんどくさい。

 

…生きるのがめんどくさい。

 

挙げていけばきりがありませんが、こうした感情はすべて情熱が解決してくれる、というのが本書の主張です。

 

 

これは確かにまったくその通りなんです。

 

わたしもあれこれ行動した末、「大人の発達障害さえも乗り越える可能性のある新しい生き方を、いまも生きづらさで苦しんでいる人に向けて伝えたい」という情熱を発見し、「大人の生き方3.0」としてまとめてこのブログを立ち上げました。

 

それから5ヶ月、仕事の都合で時間の制約はあるものの、毎回原稿用紙5〜10枚以上の記事を書くことを「めんどくさい」と思ったことはありません。

 

ですから仮にこの活動をもっと広げて、わが家の家計を支えるくらいの収入を得るまでできればどんなに毎日充実するだろう、と想像するだけでもテンションが上がってニヤニヤしてしまうほどです。

 

そのような強烈な実感があることが、わたしもよく世間で言われている「特性にあった仕事」ではなく、最終的には情熱をともなった「天職」につくようにこのブログでオススメしている理由です。

 

 

本書の第1章『なぜ「行動するのが、めんどくさい」が起こるのか?』でも、著者の鶴田さんの実体験をもとに、「やる気」「意思」「モチベーション」ではなく「好きなこと」「パッション」「ミッション」をベースにした生き方の提案がなされています。

 

それもただの体験談だけではないです。

 

夢や目標を次々と実現している人には、2つの共通点があります。

1つは、「望む結果が明確になっている」こと。

もう1つは、「望む結果を実現できると確信している」ことです。

 

これ、脳科学者である苫米地さんも指摘されているように、脳科学的にもとても重要なことだと思ってますが、こういった自分の感情や相手の発言が「情熱なのかどうか」を判断するための基準など、多くの元人事担当らしい発想も示されています。

 

うーん、本書はこのブログの強力なコンペティター(競合)な気がしてきました……。

 

 

「めんどくさい」をなくしていくと天職が見つかる

じゃあどうしたら情熱を見つけられるの?という疑問にも、本書はその大半を割いてひとつの解決法を提示しています。

 

それは、「行動するのがめんどくさい」の感情をなくすための技術の実践です。

 

続く第2章『「行動するのが、めんどくさい」がなくなる4つの原則』以降7つの章を使って、行動や対人関係など異なる角度から自分の情熱に気づくためのさまざまなヒントが示されます。

 

例えば、第2章の4つの原則を紹介してみましょう。

 

 

1.「やらなきゃいけないこと」を減らす

2.「やらなきゃ」と思わないようにする

3.「やらなきゃ」と思っても、いろいろと考えない

4.工夫して、どにかく行動する

 

 

より具体的な行動方法は本書を参照いただきたいと思いますが、基本的になアプローチとしては「家庭や社会に刷り込まれた思い込みを剥がしていく」作業のような気がします。

 

世間がどうとか、他人がどうとか、成功者がどうかはいっさい関係がありません。自分の生き方を決めるのは、他人ではなく、あなたです

 

いつも読んでいただいている方にはくどくなってきてすいません。

でも大事なことなので何度でも書きます。

 

まず、周囲の世界と自分の世界を切り離すこと。

そして、そのうえで両者の世界とどう折り合いをつけて生きるかを自分で決めていくこと。

 

まずは本書も参考に、この精神的な自立の感覚をつかむことから始めてください。

これができれば、あとは少しでも気になったことをすぐに行動して、自分の情熱を探すだけです。

 

 

生きることがめんどくさいわたしたちへのベストメッセージ

  • 自分の特性に合わない仕事でも、生きるためにガマンしてやるしかなくてつらい。
  • せっかく障害者雇用で入ったのに、配慮がされなくてつらい。
  • 自分の取説を作っても、誰も理解してくれなくてつらい。

 

いまの日本で大人の発達障害を抱えて生きることは、言ってみればとても「めんどくさい」ことです。

少数派を認められない、とても同質性の高い社会ですから……

 

それを思えば、たとえ生きることがめんどくさいと感じてしまっても、生きていくための情熱がなければそれはそれで当たり前です。

だから「あ、そう自分は感じてるんだ」と認めてあげる以上に深く気にしなくても大丈夫です。

 

 

本書の最終章、『「何もかもがめんどくさい」を解消して、希望を取り戻す』には、うつ病経験のある著者ならではの、いま苦しんでいる人たちへのベストメッセージが込められています。

 

実はその中のいくつかはこのブログでご紹介した考え方にも非常によく似ていて、わたし自身本書のタイトルから受ける印象とのギャップに意外性を感じました。

 

やはりよりよく生きるための考え方や行動には、時代や社会を超えた万人に共通するパターンがある。 そう確信せずにはいられません。

 

 

「何もかもめんどくさい」と思ったら、まずやるべきこと

 

として、鶴田さんは以下の点をあげています。

 

いっさい自分を責めるのをやめて、しっかりと休息をとること。

自分を苦しめるルールを手放すこと。

自分に正直であること。

 

 

今年3月の初版からすでに13刷。

それは内容はもちろん、読みやすい文章と構成、そしておまけのフォレスト出版らしい無料の「めんどくさい」診断や「めんどくさい」解消チェックシートダウンロード用URLも書かれています。

 

これからもじわじわとロングセラーになっていきそうな本書も参考に、わたしたちはいまのつらさを少しでも軽くするため、天職への道を歩んでいきましょう。

 

 

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