大人の発達障害者の自立のための同期と場の力と統合力という可能性について
自立の裏ボス、「同期(シンクロ)」のメカニズムに迫る
第2四半期(7~9月)の過労のツケと、しのびよる寒さ、そして並行して進めていた書籍の原稿執筆とブログ記事執筆……
ちょっとパワーを使いすぎたんでしょうか。
職場で最近、「お湯」がとても飲みたくなってしまいます。
そして実際、午前中はお湯ばかり飲んでいるんですが、お腹が温まってなんだかいい感じです。
お腹、特に腸を冷やさないようにするのが精神的・肉体的な健康上大事だそうですね。
特にこのブログをお読みいただいていれば、人間の本質は「脳」ではなく「腸」だということが(たとえばこちらの記事(新しい生き方がひらけていく脳と心の関係についての知識)とか)おわかりいただけると思います。
まあ何はともあれ。
つい昨日、書籍の原稿を校正に回していただけたとのことなので、少し安心しています。
発売日等、詳細が決まりましたらブログ・Twitterでお知らせさせてください。
<ファーストシーズン「大人の発達障害改善のヒント」全78記事のまとめ記事4つと目次はこちら>
引き続き、セカンドシーズンでは生物としての人間、生きるとは何か?などになんとなくフォーカスしながら進めていきます。
自立と感化・同期の関係について
さて前々回からフォーカスしていました、ドーパミン問題。
たくさんの(当ブログ過去実績比)反響をいただきました。
引き続き生き方や大人の発達障害との関係を深掘りしていきたいんですが、なかなか意外と、これはという情報がいまのところありません。
ということでドーパミンについては引き続きの宿題にしておくとして。
今回はもうひとつ、わたしがファーストシーズンの記事を書きながら引っかかっていたことについてフォーカスしてみます。
それは、「自立」のメカニズムについて。
夏目漱石も岡本太郎も強く実感しながら生き、成果をあげてきたこの自立という現象を、わたしはファーストシーズンの記事の中ではこう説明しました。
「周囲の世界」と「自分の世界」を切り分けること。
そしてそれを実現するためには、無意識にどちらの世界とも分からない発想を受け入れている自分を、一段上の視点から見直してみる必要がありました。
その視点の獲得方法が、読書会や、育児、プレゼンテーション作成をする中で意識して他者の視点を想像する作業、と説明してきました。
この作業を通して、わたしはおおいに自立でき、大人の発達障害人生を改善させてきました。
ただじつは、わたしの中で
「自分が自立できた要因は、本当にそれだけだろうか?」
という思いがいつもあったんです。重要な何かを、見落としているような。
わたしの調子が目に見えて良くなってきた2014年以降、上記の「他者視点のイメージ」作業以外で特にやってきたことといえば、
- イベント、勉強会に参加して意識の高い(自立した・ユニークな)人と会う
この1点に尽きると思います。
もしこの事実自体に、つまり勉強会やイベントで得た知識とは関係なしに、わたしの自立をうながしたものがあると考えると、いろいろ面白い発想がでてきます。
ひとつは、「影響を受けた」とか、「感化された」という、なんとなくフワっとしてはいますが、
あー、あれね。
的な響きもある、なじみのある発想。
そしてもうひとつは、
同期
だとか、
場の力
という、まったくなじみの薄い力によるもの、という発想です。
ひとつめの発想である「影響」「感化」について、正直詳しいメカニズムを把握しているわけではありません。
そして影響を受けるとか、感化されたといっても、具体的に行動が変わることはありますが、無意識の領域まで変化があるかといえば、長期的には可能性はありますが少し違和感があります。
むしろ直観的にわたしが気になっているのは、同期(シンクロ)とか場の力といった新しい考え方です。
科学的には完全には解明できていないが、そういったものが存在してもおかしくない、そんな領域の考え方。
精神的な世界の用語を使えば、「気」、「レイキ」、「サイキック」みたいなものになるんだと思いますが、それで済ませてしまうとあまりこのブログらしさがありません。
もちろん、別にわたしがこの1~2年でそうした類の精神的な世界の発想を信仰したわけではありません。
ただこの1~2年のうちにイベントなどでお会いして一緒に場を作らせてもらってきた200人以上の方には、世界的なアーティストから会社社長、役職はなくてもユニークで自分の世界を生きている人など、しっかりと「自立」できている人ばかりでした。
イベントや勉強会には、そうした方がとても多いんです。
それで、もしかするとそんな人とたくさん場を共有すると、自分の中の「何か」が少しずつ同期していくんじゃないか?
そんなことを考えました。
いまのところそれを裏付けるまだ核心的なロジックは得られていませんが、いくつかヒントになる研究はあたってみました。
まずは、以前にもご紹介した複雑系理論などをつかってホタルの光の同期の仕組みなどを説明している、同期研究の第一人者によるこちらの本。
SYNC: なぜ自然はシンクロしたがるのか (ハヤカワ文庫 NF 403 〈数理を愉しむ〉シリーズ)
- 作者: スティーヴン・ストロガッツ,蔵本由紀,長尾力
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2014/02/21
- メディア: 文庫
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続いて、東京大学名誉教授で、1970年代から複雑系、自己組織論の研究を進めている清水博氏によるこちら。
「自己の卵モデル」という画期的な発想で、「場」について詳細に説明している本。
「宗教」「科学」に続く、次の時代のスタンダードになる考え方を創りだそうとしている、とても理想にあふれるものです。
最後に、KDD研究員として光ファイバーの通信研究をしてから、他の企業の研究所長や大学教授を歴任してきた望月清文氏による、「統合力」という力を説明したこちら。
他にも多々あると思いますが、わたしが見つけた中で特に画期的だと思うものを挙げてみました。
こうした本を読んでみると、いままでの科学で常識的な「部分に分けて客観的に観察する」という方法論が非常に欠陥のある「宗教」だということがよくわかります。
わたしたちには、「わたしとあなた(だからこそ)の関係」で生じる何か、という観点が欠けていたようなんです。
たかがしれている人間の認識力から自由になって無意識を変える
今回もあまりキレイに書けていませんね。
引き続き分析は続けていきます。
ここでわたしが上記メカニズムの追求のほかに何を言いたいかというと、いまわたしたちが生活の全ての基礎を置いている、目に見えて、科学的に説明できていて、そのうえでわたしたちが前提にしている知識は、実は本当にたかがしれている、ということです。
知らないところで、どんな目に見えない力が働いているかもわからないわけです。
ということは。
そんなわけのわからない世界でつらかろうが苦しかろうが、実は考え方次第でなんとでも感じ方は変えられるってことです。
ただ考え方を変えるには時間がかかります。
つらかったり苦しかったり、胸のあたりがモヤモヤしていたら、何か未来や過去のことが原因で、わたしたちの無意識がまた勝手に反応して、そうさせていることにまず気づく。
そして、「む、これはまた勝手に悪い反応をしているなー」と気づいたら、大きく鼻で深呼吸を3回。
もしそこで原因になっているものに気づいたら、どうせ自分が考えられることはたかが知れている、と思いなおして、とにかく「いま」何ができるかに集中してみる、とか。
そんなことでモヤモヤが少なくなったらしめたもの。
これを繰り返してやれば、無意識もそれについてきます。
…なんだか話が変な方向へ来てしまいましたが、とにかく「自立」のためには自立している人とたくさん会って場を共有することも有効(かもしれない)。
そして、同期や場、統合力といった目に見えない力がたくさんあるかもしれないこの世界では、人間の認識力の中でたしかなものなんてあまりない。
つらかったら思いなおす。鼻から深呼吸。原因の見かたを変えてあげる。
今回は、そんな生き方の認識を変えてみることのご提案でした…
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