大人の発達障害とHSPと自己価値感の関係について
大人の発達障害があると基底的な自己価値感が低いかもしれない
うえすとです。
今週末は本当に寒くなりましたね。
わたしは普段、妻子が寝付いたあとの時間は、平日、土日にかかわらず節約のために暖房はつけないで、着込んで読書やブログを書いたりしているんですが。
さすがに今日は先に風呂でカラダをあたためて、布団の中で書いています。
意外と快適なので、これからはこれもアリかな…なんて思いました。
さて今日は先に2つ、告知をさせてください。
就労支援サービス「WINGLE」、総合幼児教育・学習塾「Leaf」などを手がける株式会社LITALICOさまの事業で、社会課題・障害についての研究機関である「LITALICO研究所」。
今回ご縁があり、そちらの研究所で今年からはじまるゲストセミナーの第1回講師をつとめさせていただくことになりました。
今回は「天職」の見つけ方について、わたしの考え方をより詳しくお話する予定です。
日時は2月20日(土)17時、中目黒にあるLITALICOさま本社内のセミナールームで実施いたします。
参加資格はすでに研究員登録をされている大学教授・学生・当事者・支援者の方で研究所趣旨にご賛同された方になりますが、今回は申し込みと同時登録が可能ということです。
LITALICO研究所、そして本セミナーにご興味のある方は、以下のリンクより詳細確認のうえ、参加申し込み及び研究員登録申請をお願いいたします。
なおLITALICOさま社内での開催ということで、収容人数には限りがあります。
ご希望の方はどうぞお早目に。。。※2/4現在、まだお席ありますのでぜひ。
(ブログ内では、定員に達した場合の締め切りをタイムリーに告知できない場合がありますのでご了承ください。)
関連して、LITALICOさまが運営されているWEBサイトのリニューアル情報です。
発達が気になる家族をサポートするためのWEBサイト「ふぁみえーる」が、「LITALICO発達ナビ」と名称を変えて1/18にリニューアルオープンしました。
コラムの中には、大人の発達障害にも役に立ちそうなものがありますので、ご紹介しておきます。
そしてもうひとつ。
去年の夏に参加したイベントが刺激的だったことと、偶然にも大学サークルの後輩がスタッフをしていたことがきっかけで、ゆるやかに企画のお手伝いをさせていただいている官民協働ネットワーク「Crossover」。
そちらでは昨年末から、厚生労働省の若手有志グループ「NHLW」さんと合同で面白いイベントを企画しています。
~2/6 Crossoverと厚生労働省若手グループ「NHLW」の共催企画異業種ディスカッション大会~
組織・社会に多様性は必要か?(イベント詳細、申し込みページリンク)
このイベントでは中央官庁をはじめ各地の公務員、民間企業などから100名規模の希望者をつのり、主題にある「組織・社会に多様性は必要か?」というテーマと、その言葉に関連する個別テーマについてディスカッションを行います。
そのディスカッションを通じて、いろいろな角度からの意見を知り、自分の中の新しい気づきと、アクションのきっかけ、そして協働していける仲間を見つけることを目的としています。
わたしはキャパシティが少ないので、申し訳ないことにほとんどお仕事はできていないんですが…
今回は個別テーマに「障がい者の雇用義務付けは必要か? ~本当に障壁のない、多様な仕事場について考える~」というものがあり、そちらでファシリテーション(進行役)をやらせていただく予定です。
もしこちらもご興味ありましたら、ぜひ会場でお会いしましょう。
詳細は上記リンクをご確認ください。
***<ファーストシーズン「大人の発達障害改善のヒント」全78記事の目次はこちら>***
大人の発達障害とHSPは重なりあうところがある
こちらもまたご縁があって、子どもの心をはぐくむ教師と親のための雑誌「児童心理」の最新号をじっくり読む機会がありました。
特集は、「敏感すぎる子」。
ADHDやアスペルガー症候群の傾向を持つわたしとしても、心当たりのある表現がたくさんあり。
ひさしぶりに電車内で乗り過ごしそうになりました。
たとえば少し本にも書いたと思いますが、わたしは小さいころセーターがチクチクして着られませんでした。
どんな寒い冬の日でも、基本的には綿のTシャツやポロシャツと綿のトレーナー。
ウール製品はかなり嫌がったのを覚えています。
「児童心理」2月号には、そんな肌の感覚過敏性を含めて、さまざまな感覚の過敏な子どもが一定の割合でいること、そしてその対処法が紹介されています。
中でも面白かったのは、アメリカの心理学者アーロンが提唱しているHSP(Highly Sensitive Person、とても敏感な人)という概念です。
15~20%の人があてはまるそうで、味の違いやウールのチクチク、室温の変化といったことから、心配性・臆病などの心理的な敏感さまでをそなえた人々のことを指します。
そうした特性をまとめると、
・ものごとを深く処理する
・過剰に刺激を受けやすい
・感情反応が強く、共感力が高い
・ささいな刺激を察知する
の4つになるそうです。
わたしはこの枠組みを、本書ではじめて知りました。
この記事を書かれている東京家政大学の根本橘夫先生は、よくいわれるADHDやアスペルガーの存在仮説と同じような論調で、HSPも種の保存に必要な特性、なのでは、とおっしゃっています。
そうなんです。
生物学的に見ると、発達障害もHSPも、まあ確かに存在していてもおかしくはない特性ですよね。
ただ、上記のどの特性も、現代の日本では本当に生きずらい。それが問題です。
たとえば根本教授は、記事の中でHSPが生きづらい理由として、その特性が「無価値感」(自己価値感がない状態)と結びつきやすいことを挙げています。
・過敏なあまり、家庭や学校で自分が歓迎されている実感が得づらい
・過敏なあまち、安心感が得づらい
・外界に違和感、不適合感を感じやすい
そして同じような理由で、発達障害の傾向のある人も基底的な自己価値感が得づらかった可能性がありそうです。
その基底的な自己価値感がない人で、軽度な発達障害またはグレーゾーンなため知能には問題がないか、むしろ高い場合。
幼いころに形成される基底的自己価値感が得られていないからこそ、学生時代には勉強をがんばって成績が良かったり、良い会社に就職できていた。
この後から形成された「状況的自己価値感」だけが支えになっている可能性が高そうです。
そんな中、社会に出て度重なるミスや不得意の山、そこからなる低い評価という状況になると、状況的自己価値感も崩れて、耐えられないストレスを与えている・・・
こんな構造も透けて見えてきます。
というよりも、かなり心当たりがあります(笑
自己価値感の問題や回復方法は「過去の成育歴」とあわせて説明されることが多く、ケースバイケースになってしまうためこれまであまり触れてきませんでした。
今回、この「敏感さ」と「低い自己価値感」の関連性を学んだことで、大人の発達障害者「自立」へのプロセスのチェックポイントとして、自己価値の問題も具体的に活用できそうですね。
回復方法について、ロジカルで具体的なものが見つかればぜひご紹介したいと思います。
情報お持ちの方、ぜひhlifelabo<atmark>gmail.comまでお寄せください!
※ブログ更新情報は、「読者になる」からはてなのアカウントを登録いただくか、Twitterをフォローしていただければお送りできます。