発達障害の「生き方」研究所 | Hライフラボ

転職4回、うつで1年の休職歴あり。30歳を過ぎてADHD・アスペルガーまで発覚した人間が、妻と娘の育児のためにもがいた結果… 「生きづらさ」と戦いながらそこそこ稼ぐためのHライフラボ的・生き方3.0とは?

大人の発達障害の就職・転職に効く仕事の選び方

大人の発達障害の仕事・就職・転職のヒント

【こんなことが書いてあります】
・障害者枠か一般枠か、発達障害があるかないかを気にしすぎると、本来の自分を見失いがちになる

・周囲の世界が決めた枠組みは忘れて、自分の興味を追求して、人生の支えになる目的を見つけることが大切

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私はアスペルガー・ADHDが発覚して障害者手帳を取得する前、新卒で外資系の専門商社へ営業として就職してから、いまの仕事に就くまでに4回の転職を経験しています。

 

そのうち1回はベンチャー企業が倒産して会社都合の退職でしたので、実際に自分から転職しようと思ったのは3回ということになります。

 

その中で、転職に一番時間がかかり、かつ悩みながら転職したのはやはり3回目、一般枠で正社員として働いていた通信キャリアから、いまの外資系企業へ大人の発達障害をオープンにした非正規雇用・障害者雇用として転職したときです。

 

障害者枠での転職活動

実は障害者手帳を取得した時点では、前職から転職をしようという気はほとんどありませんでした。

 

私が障害者手帳を取得したのは、少しでも所得税を安くするためです。

障害者控除は、残業も制限された身としては経済的にとても助かりました。

 

そして実際に4度目の転職を考え始めたのは、私がアスペルガーとADHDを併発している大人の発達障害であると分かってからです。

 

「自分は配慮をもらわないと働いていけないんだ」

 

「ADHDがわかる本」「大人の発達障害でも悩まない」「アスペルガーでもうまく生きる」などのような題名の本や大人の発達障害関連のWEBを読みあさって、大人の発達障害という枠組みに完全にはまってしまった私は、自然とそう考えるようになってしまったんです。

 

そのときはハローワーク経由で直接障害者雇用枠へ応募したり、またはアビリティスタッフィング、Kaienなどいくつかのエージェント経由で転職活動をすすめて、実際に大手飲料会社をはじめとするいくつかの会社から障害者雇用枠として内定をいただくことができました。

 

メンタルの安定と経済的リスクを天秤にかける転職

ところがそれらのどの障害者枠にも私は転職しませんでした。

 

…家族を持つ身としては、給与が安すぎたからです。

 

もちろん内定を頂いたのは当時から発達障害・精神障害者も受け入れるほど障害者雇用に力を入れている大手ばかりだったということもあり、300万円台中盤の年収は提示いただけていました。

 

ただ子どもが生まれたばかりの当時、収入が大きく落ちることについての妻の反対を押し切るほどの力が私にはありませんでした。

 

仕事内容もそれほど魅力があるものではなかったことと、そもそもやりたいことがはっきりしていない状態、つまり私もつい最近までしっかりと自立ができていなかったのだと思います。

 

自分には障害者枠が合っているのかどうかすら、全く分かっていませんでした。

だからといっていまの仕事をこのまま続けていく精神力はもう残されていない。

 

こんな八方ふさがりの中でも、私は読書で自分のことについて探求を進めた結果、データ分析という当面の没頭できる仕事に出会い、気付くことができました。

(そのあたりの経緯は大人のアスペルガー・ADHDの生き方例② の記事に詳しく書いています。)

 

「大人の発達障害」としての適職なんて存在しない

そもそもこのように、アスペルガーやADHDの診断が下りた大人の発達障害ではあるものの、やりたい仕事がわかっていない状況では、「一般枠」で転職するのが良いか、「障害者枠」がいいかなんて考える意味が無かったんです。

 

まずはたくさんの読書などで自立の下地をつくって、時間を忘れて没頭できる何か見付けること。

(自立に関してはこのカテゴリにいくつか記事が入っています。

自立 カテゴリーの記事一覧 - 発達障害の「生き方」研究所 | Hライフラボ

 

そのうえで、もし障害者手帳が使えるのであれば、没頭できる仕事の先にある最終目標を達成するために、あくまで「戦略的に」利用する。

 

一般枠であれば到底入れないような企業に障害者雇用で入社して、キャリアを積み、次はそのキャリアを生かしてまた一般枠で転職する、というような発想です。

 

 

仕事でミスをした後やいやなことが先にあるときなど、生きているのがつらいときはいまの仕事・苦しみから逃れたい一心で転職を考えてしまいます。

 

ところが、逃げの転職ではたとえ障害者雇用であっても苦しみの原因から目をそむけただけで、何も変わらないのはどうやら本当です。(細かいロジックは分析中です。緊急避難的にストレス源から遠ざかるのは有りだと思います)

 

ただ自分にとって「楽だから」「自分の障害の特性に合っている」というだけの障害者枠での勤務は、原則的にはあくまで弱った体・脳を平常レベルまでリカバリーするための場所と割り切ってしまったほうが無難です。

 

障害者枠の有無は一旦忘れて、自分の世界と周囲の世界を切り離し、時間を忘れて続けられる仕事やどうしても頭に残って離れないフレーズを追求して、まずはどんな小さいことでもアクションを取って、続けてみましょう。

 

経済的なことは、差し当たり目の前にあるものを続けていけばいいと思うのです。(この点においては当面の生活のための障害者雇用を否定するつもりはありません)

ひとたび人生目的が見つかれば、それが私たちのつらい人生を大いに支えてくれます。

 

われわれの見解に従えば、ひとは自由にその人生目的を選ぶことができるばかりでなく、また真面目に、一途に、そしてこれと相容れない他の一切の努力を犠牲にして得ようとするならば、何によらず必ずそれを得ることができるものである。

 

幸福論 (第1部) (岩波文庫)

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人生目的は、自立すればそのうちに必ず見つかります。

 

「大人の生き方3.0」は、人生目的を見つけるところからその実現までを全てサポートするため、人間についての様々な研究結果に裏付けられたスキル・ノウハウだけを選んで、行動しやすく私が編集したものです。

 

今日からでも、明日からでもまったく大丈夫です。

 

みなさんの好みに合う本を片手に、私たちと一緒に再出発してみませんか。

 

 

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