転職4回で年収2倍の精神障害&発達障害者による就職・転職成功の方程式(前編)
発達障害・精神障害持ちの就職、転職に成功の方程式はあるか
【こんなことが書いてあります】
・精神障害、発達障害者の就職、転職では年収より心の安定が大切
・障害者雇用でも収入を高める「年収2倍の方程式」では、一般就労の経験、自分で仕事を組み立てる習慣、障害者手帳を生かす
これから就職、転職するみなさんへ。
仮に精神障害(うつ病、双極性障害Ⅱ型など)・発達障害者(ADHD、アスペルガーなど)に就職・転職の成功の方程式があるとすれば、それは間違いなく「年収」を基準にした成功ではないと思います。
まあ特に定量的な(数字的な)根拠はないですよ?
でも、ADHD・アスペルガーなどが原因でうつ病や双極性障害を抱えた私たちに必要なのは、間違いなくたくさんの年収よりも「心の安定」だと思ってます。
現にADHD・アスペルガーが発覚した大人の発達障害者で、精神障害者手帳の2級を持っている私も、新卒の頃に比べると確かに年収は2倍以上になっていますが、毎日の職場では自分に向かない社内調整業務だとか、忙しい人に質問しなきゃいけない業務に追われている状況の中、一日に数回はどこか知らない場所へいますぐ逃げ出したくなる気持ちと戦いながら生きています。
これはたとえ年収が高くても、とても人生で成功したとはいえないと強く感じてます。
私は、
・生活できる程度の収入
・自分がやっていて時間を忘れるほど没頭する仕事
この2つを「最終的に」手に入れた人が、うつ病や双極性障害などの精神障害・ADHDやアスペルガーなどの発達障害を持つ私たちの中では、「成功した」と呼べると感じています。
まずはこの立場を明らかにしたうえで、その「成功の方程式」と、あえて「年収2倍の方程式」を説明したいと思います。
自分の足と戦略的キャリアプランでチャンスをつかむ「年収2倍の方程式」
私のように一般就労経験はあるけれども、その障害のためにあまり成果を出せないような人間が年収の大幅アップを狙うには、外資系への転職が手っ取り早いです。
年収帯が国内企業に比べて高めなのは一般枠であっても障害者枠であっても同様なんですが、特に障害者枠において顕著なのは、外資系には「ヘッドカウント」という日本法人で雇っても良い人数枠が存在するのがその理由です。
本来は社員全員を一般枠で埋めたいところですが、日本には障害者雇用枠が存在するため、国内企業は全体の人数を増やしてでも業務を細かく割って、低賃金で障害者を雇用します。
ところが外資系の場合、海外本社から日本法人の人数は厳格に決められているので、多少相場より高い金額を払ってでも、できるだけ普通に仕事がこなせる障害者が欲しいのです。そうしなければとても仕事がまわりません。
ではどうやって外資系に潜り込むかが問題ですが、外資系の場合は新卒での募集は少ないのが現状のため、中途採用での入社が基本です。
特に障害者枠の場合、一般枠での勤務経験があれば比較的採用されやすいため、もしも障害者手帳の取得について抵抗がなければ「一般人のように働ける障害者」という看板を掲げて転職活動を行い、障害者枠であっても外資系に入り同業他社の一般枠と同等以上の収入を得ることも可能です。
私はこのパターンで入社したので、収入は比較的多いですが業務内容には特に配慮をもらっていません。残業を多少セーブしても文句を言われない、という程度です。
ただし外資系には各社少しずつ違いはあっても日本企業にはない独特な文化があるので、そこへ至るまでに他の企業・就職活動で修業・経験をしておかないと、おそらく入ったとしても長続きしないでしょう。
自分で考えて動ける障害者へ
では外資系ではどんな働き方が求められるのでしょうか。
それは、もちろん会社によって差はありますが、基本的には「指示されなくても仕事ができる」ことです。
指示されなくても動ける、とはどういうことでしょう?
それは目的・目標さえはっきりさせてもらえれば、あとはその道順は自分で考えて実行できる、ということです。
外資系では突然社員がクビになったりしますから、業務の引き継ぎなんてあって無いようなもの。
そうすると、前任者がどうやっていたかなんていう情報が無くても、自分の頭で考えて与えられた仕事がこなせることが必要です。
たとえば就職活動を例にとると、今はリクナビをはじめとする就職活動サイトが無いととにかく何も始まらない、という時代です。(障害者の新卒マーケットがどうなっているかは知りませんが…)
ですが最終目標は自分が行きたい会社に「就職する」ことなので、決して「リクナビを使いこなすこと」ではありません。
そもそも、自分の行きたい会社がリクナビに求人を出しているとは限らないと思いませんか?
もっと言うと、自分の行きたい会社は求人を出しているんでしょうか?
このあたりを混同すると、大変なことになります。
うつ病などの精神障害者、ADHD・アスペルガーなどの発達障害者はリクナビを使うな、とまでは言いませんが、まずはリクナビを抜きにして、WEBサイトなども利用して考え抜いてみましょう。
個人的に業界研究はYahoo!掲示板の株価コーナーにある、個別の会社掲示板が面白くて実態をつかんでいると思いよく利用していました。
そうやってターゲットが決まったら、ここではじめてリクナビを使っている会社なのか、求人をしているのか確認します。
私はリクナビに掲載していなければ、直接会社の人事へバンバン電話して直接聞いてまわっていました。
もっと使えるのが、学生向けの生ぬるい合同説明会などではなくて、法人向けに開催されている展示会です。
行きたい会社がこういった展示会に出展しているなら、直接そこへ行って説明をしている社員の雰囲気や業界の動向を調べて、さらに各企業の説明員の方へ、お客さんが途絶えた一瞬を狙って話しかけ、人事へのブリッジになってもらえるようお願いするんです。
私はこの方法で、文系には求人を出していない企業(私は文系)から内定をもらいました。
とにかくこの例のように、目的達成のために手段を選ばない発想をして、行動ができる人間が外資系に向いています。
待ちではなく、攻め。
この気持ちと軸を強く持って仕事・転職をしていると、外資系では社歴が複数あってもそれが逆に高く評価されることもあり、採用してくれます。
整理すると、
一般就労での経験値 × 自分で仕事を組み立てる習慣 × 障害者手帳
=年収2倍
以上が、「年収を2倍にする成功の方程式」です。
障害者のための就職・転職「成功の方程式」
それではうつ病・双極性障害などの精神障害者や、ADHD・アスペルガーを抱える発達障害者に、就職・転職の「成功の方程式」はあるのでしょうか?
次回、この点について説明していきます。
→転職4回で年収2倍の精神障害&発達障害者による就職・転職成功の方程式(後編)