発達障害の「生き方」研究所 | Hライフラボ

転職4回、うつで1年の休職歴あり。30歳を過ぎてADHD・アスペルガーまで発覚した人間が、妻と娘の育児のためにもがいた結果… 「生きづらさ」と戦いながらそこそこ稼ぐためのHライフラボ的・生き方3.0とは?

大人の発達障害と仕事選び① ~いまの仕事で特性を見極める方法

大人の発達障害でも、自分の特性を転職せずに見極める方法


大人の発達障害の本でよく見かけること。
その中には「特性に合った仕事を探す」があります。

大人になってから仕事がうまくいかずうつ病になり、心療内科などで診察を受けて発達障害が分かった方がほとんどだと思いますので(私もそうでした)、自分に適した仕事を探すということは大きなテーマではないでしょうか。

 

私はこの別の記事で、まず仕事探しよりも周囲の世界と自分の世界の切り分けが先決だということは書きました。

そしてそれを前提にして、大人の発達障害の仕事探しには2つの課題があります。

1、自分が何に向いているのかを知る

2、向いていることを仕事にできるのかを考える



例えば本を読むのが早かったとして、それを仕事にできるでしょうか?
例えば電車にとても詳しかったとして、お金が稼げるでしょうか?


私はたとえ大人の発達障害があったとしても、この時代ではやり方次第で何でもお金が稼げるのではないかと思いますので、どんな特性も否定するつもりはありません。

考えなければいけないこと、そしておそらく自分が向いていることは何かを考えたことがある方はほとんど悩んだことがあることは、

自分がその特性を生かしてお金が稼げるのか?」

ということです。

せっかく自分の得意分野が分かっても、仕事にできなくては生活していけません。


自分の仕事の経験上から、「時間が早く感じる業務」を探す


ここで大人の発達障害において有利な点があります。
それはいままでの社会人経験の中で、少なくともいくつかの業務を経験したことがあることです。

「仕事」としてすでに成り立っているものの中から、自分に一番向いていたことを探して、追求してみましょう。

そして私が経験上見つけた、自分に一番向いていることの探し方として

取り組んでいて、時間が経つのが早く感じたこと

をおススメします。

少しでも「もしかして・・・」と心当たりのあることはどんなことでもいいんです。

例えば、書類をキャビネットへ整理しているときが一番集中できて時間が早く過ぎるのであれば、何かの順番にこだわりがあったり、分析する業務に向いているのかもしれません。
また掃除、窓ふきなどが好きであれば、直接的に何かをキレイにするということの他、書類やWEBコンテンツの細かいところまでチェックする校正の仕事が向いているかもしれません。

決して心当たりのあった直接的なその業務そのものだけにとらわれずに、少しその内容を拡大して考えてみて、いまの会社の中で手を挙げて、出来る限りやってみましょう。

そうすると思いがけず、やり始めてふと気が付いたらもう定時前だった、という仕事が見つかるかもしれません。


参考まで、私は文系出身で書類事務の仕事がほどんどでしたが、ある日から部署の予算を立てる仕事が入ってきました。
予算の額が大きいことから、年間の予算消費予測を立てなければならず数字と日々格闘していたところ、ふと自分がトイレよりも食事よりもその作業を優先していることに気がつきました。
普段ならばお昼休みや終業の時間を心待ちにしているのに、その作業をやっているときだけは「あとちょっと、これが終わってから・・・」というような具合だったのです。

「そうか、これを仕事にしよう!」

そう思って大人の発達障害をオープンにして今の会社へ転職したのが、データアナリストになるきっかけです。まさか自分が統計を使って仕事をするようになるとは、本当に自分でも驚いています。

 

時間が早く経っていく仕事が、自分を没頭させることができた仕事。

それが私たち発達障害者をよりよい生き方へ運んでくれる仕事だと思います。


まずは今の環境で時間が早く経つ作業を探してみると、良いヒントが見つかるかもしれません。

 

→大人の発達障害と仕事選び② ~自分の世界と周囲の世界を分けると天職が見つかる

 

→「生き方」研究所記事一覧へ