発達障害の「生き方」研究所 | Hライフラボ

転職4回、うつで1年の休職歴あり。30歳を過ぎてADHD・アスペルガーまで発覚した人間が、妻と娘の育児のためにもがいた結果… 「生きづらさ」と戦いながらそこそこ稼ぐためのHライフラボ的・生き方3.0とは?

発達障害者が天職を見つけるまでの仕事のつらさに耐えるための2つの知識

発達障害者が天職に就くまでの移行期間のつらさをどう耐えていくか

【こんなことが書いてあります】

・発達障害者が天職に就くまでの間にも、仕事のつらさはどうしても訪れる

・つらさに耐えるための大前提として、将来向かうべき方向(情熱を持てる分野・天職など)が見えていることが重要

・無意識の働きを知ることでつらさの原因と結果を切り離し、無理をしないこと

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わたしたちが大人の発達障害であるためのつらさ。

 

要領がよくないため、また業務の切り替えに時間がかかるためにやってもやっても追いつかないメールやルーチン業務の処理。

 

わたしたちの特性がよく理解されていないがために振られる、苦手な対人関係タスクの先送りの山。

 

普通の人なら普通にこなす業務が普通にできないことを「理解してもらいづらいこと」。

 

 

ある程度自分の特性を理解し、そして受け入れて、なんとか日々の仕事をこなせている人でも、しばしばこのようなことが原因でつらい局面が訪れます。

 

そして一度つらくなりはじめると、とことんまでつらさを味わってしまう。

わたしはこんなことがよくあります。

 

 

ではそんなとき、どう割り切って天職に就くまでの日々をやり過ごせばいいのでしょうか。

 

 

大前提は、自分の進む道や天職が見えていること

たとえいまがつらいときでも、その先に信じる道・成し遂げたいこと・情熱を傾けられる天職があれば、それだけでつらさを耐える理由になり、また支えになります。

 

 

いつか自分は、あの道へ進む。そして人生の目標を成し遂げる。

 

今月耐えれば、独立に一歩近づく。

 

 

こういった心の声は、自分に合わない仕事・情熱を持てない仕事・ただ向いているだけ、得意なだけの仕事のつらい局面に耐えるモチベーションになります。

 

つまり、最後の最後に心の支えになるのは、親でも、家族でも、お金でもなく、自分の情熱・人生の目標・信念です。

 

日々の仕事のつらさに耐えるには、大前提として自分の情熱や人生の目標を見つけておくことが肝心です。

 

なお補足ですが、わたしが「大人の発達障害におすすめの仕事ベスト10を紹介する 」の記事の追記で書いているように、ただアスペルガーやADHDの「特性に合っているだけ」の仕事はわたしたちに人生の楽しみや生きる意味を与えてくれません。

仕事は続けやすいかもしれませんが、つらさや先送りも依然として続いてしまいます。

 

そうなのです。

たびたび書いていますが、わたしたち大人の発達障害者(アスペルガー・ADHD)が先延ばしやコミュニケーション嫌いといったような弱点を克服でき、本当の意味で人生を取り戻し、楽しめるようになるためには、天職につくしかありません。

 

天職とは自分が情熱を持てる仕事。

時間を忘れて取り組むことができる仕事。

 

これはいままだ自分のやりたいことがはっきりしていなくても、自立を達成して、過去を振り返るプロセスを経ることで確実に認識できてきます。

 

発達障害だからこその仕事のつらさを乗り越えて行くためにも、まずは自立と自分の天職を探す作業を進めていきませんか。

(「自立」カテゴリの記事一覧はこちら、天職探しの記事は、

大人の発達障害者でも仕事で成功する才能の法則 または 

ADHD・アスペルガーの人生を楽しくする仕事が見つかる本ベスト5を紹介する

 

 

なお天職探しについては、上記「才能の法則」の記事で紹介している本が最も本質的です。

するどくそのプロセスや条件を分析しているくだりがありますので、改めて記事にしたいと思います。

 

 

つらさの原因が無意識の仕業ということを理解してさっさと白旗を上げる

わたしたちが「つらい」と感じることには、理由や原因が思い当たることもあり、そうでないこともあります。

 

ですがたとえ理由が思い当たるときでも、ほぼ確実に無意識の影響が「つらい」感情の原因の多くを占めています。

 

この無意識の影響による感情をついつい「絶対」なものと受け取ってしまいがちなわたしたち。

 

ですがこの感情、実は絶対でもなんでもないんです。

 

 

ある刺激(原因。ミスをした・仕事を休んではいけないと考える等)を脳が知覚したとしましょう。

そうすると、無意識の影響と神経など生体プロセスの連携プレーによって、つらい」という感情(結果)や体調不良がわき起こされます。

 

このとき、その原因と結果の関係は、ただ単に小さいころにその環境(親だったり、先生だったり、テレビだったり)が脳へ勝手にプログラムしたソフトウェアがそう結び付けているにすぎません。

つまり社会において絶対に守らなくてはいけない決まりでも何でもないんです。

 

 

このある種の無意味な「暗示」が原因で湧きおこる感情は、ただの自分の中のバグ(誤ったプログラム)だと理解して、無視しましょう(または、ただ受け入れるとか)。

 

そのうえで、さっさと自分に無理なことは無理とアピールする。

 

こうすれば、きっと日々のつらさからも職場からも2度と逃げずに済むでしょう。

 

 

ここで無意識に関して、以前にもご紹介した点を改めて説明します。

無意識とはわたしたちが人間という生物として周囲の環境に適応するため、基礎になるカラダ動き・反応のプログラムとして3歳頃までにその環境からインプットされたソフトウェアのようなものです。

 

定義としては、「意識からはアクセスできないが、判断、感情、行動には影響を与える心的過程」(ティモシー・ウィルソン「適応的無意識の心理学」より)となります。

 

無意識は意識的な思考をしなくても働いてくれますので、危機から逃れようとする瞬時の判断や行動、または視たり動いたりするときの基礎的な身体のコントロールなどには非常に効果的です。

 

わたしたちの住む現代において、幼少期にインプットされた無意識プログラムが成長後の環境や生活に望ましくはたらいているかというと、必ずしもそうとはかぎりません。

ただ生存には必要な機能、ということです。

 

 

とにかく、この強力な無意識プログラムからある状況下で自動的に想起される感情を「感じないようにする」のは難しいので、いったん受け入れてしまいます。

 

わたしたちADHDやアスペルガーの場合、そしてそのうえで、できないことに直面しているならは無理をし通すよりもさっさと白旗を上げてしまいましょう。

 

 

たとえば、仕事量が多すぎてタイムリーにやるべきことをやれていないとき。

やるべきタスクが漏れてしまいそうなとき。

(どちらも今日のわたしです・・・)

 

もうこの仕事は無理だー!、と感じてしまい、でもいろいろな事情があり次の仕事へ移れないとき。

 

そんなときは、タイムリーに業務をこなせないこと・タスクが漏れてしまいそうなことについて、

 

「自分はやっぱりADHDやアスペルガーだからダメなやつなんだ・・・」

 

と思った瞬間にただ受け止めるだけにして、ひとりで抱え込まずにその事実を上司に伝えましょう。

口頭で伝えるのが無理な方は、帰宅してからでもメールで無理な状況を書き、「こういう状況なので、こうしたい」と送っておきましょう。

 

上司や人事としても、急に休まれたり失踪してしまうよりははるかに助かるというものです。

 

 

上でご説明したとおり、無意識は価値判断をしません。

とにかく目や耳からの情報入力に対して、「つらい」とわたしたちが名付けた感情を感じるように信号を操作するだけです。

 

ということは、わたしたち大人の発達障害者が目の前の状況に「つらい」と感じていることが、はたから見れば実はまったくつらいと感じる余地の無い状況ということがよくあります。

 

たとえば仮に障害者雇用であるとして、そもそも一定以上の業務量を振られているのであれば、タイムリーに業務をこなせないのは当然です。

タスクが漏れたらリカバリーすればいいだけの話です。

 

基本的に物事は全てこのパターン(見ている人により感じ方が違う)に当てはまりますので、自立のため・右脳と左脳の統合のためにも、客観的な視点で物事を見られるように習慣づけていきましょう

 

 

ただ1点だけ気をつけたいのは、できない業務・間に合わない業務があるときは早めに上司へ連絡することです。

(発達障害があると先を見通す能力・段取り力にも乏しいので難しいことは確かですが・・・)

 

あふれそうな仕事の中には誰かが代わりにタイムリーにやらなければならないものもあるので、期限直前ではなく早めに放り出すようにしましょう。

 

 

以上の「無意識」や「暗示」からの視点で、日々のつらさへの対処法を具体例も含めて説明している本がありますのでご紹介しておきます。

 

「マイナスの自己暗示」から、あなたの心を救い出す本

「マイナスの自己暗示」から、あなたの心を救い出す本

 

 

たとえばテレビの中で誰かが「暑いですね。熱中症に気をつけましょう。この異常な暑さは耐えがたいですね」とコメントするのを耳にするだけで「暑いのは嫌だ。耐えがたい。夏は嫌いだ」と思ってしまう心グセが形成されるかもしれません。

やさしいおばあちゃんが「夏はね、暑いものなのさ。でもね、汗をかくのも気持ちよいものなんだよ」と語ってくれれば、おばあちゃんのやさしい表情とともに「夏の暑さもいいものだ」と思える心グセが形成されたりもします。

 

発達障害があるがために不安定な家庭環境や親などからの好ましくない影響は、この知識を武器にわたしたちの力で断ち切ることができます。

 

 

発達障害でもつらさに耐えながら天職を見つけて人生を 切り開く

わたしたちはこの記事やこのブログの他の記事の知識・発想を生かして日々のつらさに耐えながら 、情熱を持てる「天職」に就いて、人生を180度展開していきましょう。

 

わたしたちは、やればできます。

大人の発達障害でも「やればできる」を信じるために必要な1つの知識

 

 

※2015/6/6 追記

 なんでなんでちゃん (id:nandenandechan)さんの記事で紹介いただきました。感謝!

 

 

ん とね、仕事を依頼 しないといけなかったんだけど、相手は忙しそうだったし、こっちも進めないといけないところを上手くできてなくて、何となく連絡し辛かったのよね。誰かに 依頼するのが苦手なのに、更に気まずくて、それは自分のせいだし仕方がないんだけどさ。じゃあ、時間が過ぎたからって依頼しないといけない事には変わりは なくて、だから連絡しちゃえって話で。

(中略)

このエントリーを読んで「そっか、とりあえず動いちゃえばいいんだ!」と思えました。 

 

こういうこと、わたしもあります(笑

そしてこんな記事を書いているのについつい先延ばしをしてしまったり。。。

そういうことを無くすためにも、こちらの記事(発達障害・ADHDのための仕事の「先延ばし」の苦しみから解放される唯一の道とは)で書いたように早く天職に就いて、情熱を持ってすすめていける仕事をしていきたいと思っています!

 

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